ナトリウムイオン電池用各種バインダーを用いたSn-Co電極の電気化学的特性
プレゼンテーション
現代における技術の急速な進歩に伴い、リチウムイオン電池(LIB)がモバイル機器、電気製品、電気自動車などの電力貯蔵に使用されていることは周知の事実であり、その需要はますます増加すると思われる。しかし、リチウムは豊富な金属ではないため高価である。一方、ナトリウムは豊富で安価なため、ナトリウムイオン電池(SIB)への関心が高まっている。SIB負極として研究されてきた材料には、ハードカーボン、スズ、スズ系材料、アンチモン系材料、ゲルマニウム、酸化物材料などがある。しかし、高容量と優れたサイクル性能の両方の要求を満たす材料はほとんどない。以前の研究で我々はSn-Coに注目し、Sn電極よりも優れたサイクル性能を示すことを発見した。また、近年、リチウムイオン電池用合金負極のサイクル性能を向上させるために、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸ナトリウム(PAANa)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、ポリイミド(PI)など、さまざまなバインダーが研究されている。本研究では、リサイクル性をさらに向上させるため、PAA、PAANa、CMC、PIをバインダー材料とした負極の電気化学的性能を調べた。さらに、接着剤による電極の体積変化と接着強度の変化を調べ、サイクル性能との関係を明らかにした。
アプリケーション
本論文では、様々なバインダー[ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸ナトリウム(PAANa)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、ポリイミド(PI)]を用いたSn-Co負極材料のナトリウムイオンに対する充放電性能に焦点を当て、PVdFと比較して、サイクル性能とバインダーを用いた電極の性能との相関を明らかにするためにセルを調査した、PAANaまたはPI、PAAまたはCMCをバインダーとするSn-Co電極は、PAAまたはCMCをバインダーとする電極に比べて、in situ光学顕微鏡で示されるように、サイクル中に発生する電極の体積により、より優れたサイクル性能(最大20サイクルで400 mAh/gを超える放電容量)を示した。
写真1は、その場光学顕微鏡(レーザーテック社製、ECCS B310)を用いた直接観察による、第1サイクル中のWE体積の変化を示している。 WEの膨張・収縮率は、線形解析モードで推定した。 WE/セパレータ/CE(Na)の半円形セルの断面は、既報と同様に光学顕微鏡を用い、サファイア製の覗き窓を通してモニターした。 放電-充電試験は、上記のボタン電池の場合と同じ条件で行い、結果はボタン電池の場合と同様であった。
ソース
著者:油井祐樹 、林昌彦 、林克也 、中村次郎
b 東京工業大学大学院総合理工学研究科電子化学専攻 c 東京工業大学大学院総合理工学研究科電子化学専攻b 東京工業大学大学院理工学研究科電子化学専攻 c 日本電信電話株式会社NTTネットワーク技術研究所(神奈川県厚木市
公開: 2015年7月17日受領、2015年11月24日改訂版受領、2016年1月2日受理
キーワード:ナトリウムイオン電池、負極、バインダー、スズ-コバルト、in situ光学顕微鏡、セカス
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